日本総研様と共同で実施した「アニメ業界の希望時給算出のためのアンケート調査」の結果を反映したレポート、「アニメ産業における供給面の課題」が発表されました。
希望時給の論考に留まらず、世界的に高まる日本アニメへの需要に応えるための業界改善案を多く含む必読の内容となっています。
日本総研主任研究員・安井洋輔さんによるレポートはこちらのリンクからお読みいただけます。
今回の調査結果を受けて、NAFCAからは特に下記2点の解釈に留意が必要であると考えています。
(1) 希望時給について、産業平均と比べて低い数値が出ていること
(2) 産業規模に対する『現場の寄与』については、産業平均に近い感覚があること
要約すると、『スタジオへは、現状よりも5倍の分配が必要』と回答しているのにも関わらず、『時給は現状の1.5倍を希望する』にとどまる、矛盾とも言えるアンケート結果が出ています。
この結果は、私たちアニメ業界従事者が『自己評価が低い傾向にある』『待遇に対して無関心である』とも受け取られるおそれがあるものと考えます。
一方、持続可能なアニメ業界を作るためには、アニメ業界従事者の賃上げが急務であることはレポート全体が示しています。
今回のアンケート結果とレポートをきっかけに、私たちアニメ業界従事者のひとりひとりが、自らの環境改善に興味を持ち、自らが創造に携わるアニメ作品の経済的な価値に、もっと目を向けてもよいのではないでしょうか。
是非レポートの全文に目を通し、皆さんも一緒に考えてみてください。
NAFCAでは、今後も様々な企業や団体と共同しながら、アニメ業界の実態調査を進めてまいります。