アニメ業界で働く皆さまへ

昨今、不適切な仕事の受発注や一方的な仕事上の要求などに対する意見がSNSを中心に散見されます。
一般社団法人 日本アニメフィルム文化連盟ではアニメ業界における契約の在り方についても見直しが必要な時期に来ていると考えており、以下に現状に対する懸念を表明します。

① 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(いわゆる「フリーランス新法」)の施行について 昨年4月に成立したフリーランス新法が、今年中に施行されると予想されています。この新しい法律では以下の条項などへの対応が必要になります。

・取引条件の明示義務
・報酬支払い期日、支払い遅延の禁止
・募集条項の的確な表示
・各種ハラスメントへの対応
・契約解除する場合の予告義務
・その他禁止行為の定め

これらに違反した場合には勧告、命令などを行いそれでも改善が見られない場合には罰則が課されることもあります。 現在の契約状況について、業務を委託する企業も受注する個人事業主も、双方で改めて問題が無いかどうか確認を行ってください。

② アニメ制作会社がSNS上でアニメーターへ営業を行うことは、未成年への発注、受注者による別の人間への再発注など、発注相手が見えづらいために起こる様々な問題が発生するおそれがあります。

③ アニメ制作は、未公開情報を多く含む多様なデータを取り扱います。そのデータには様々な権利関係が内在している可能性があります。アニメーターとの関係や、BGMを制作する音楽家等との関係、声優等との関係でも著作権・著作隣接権の扱いが問題となります。コンプライアンスの観点からも、制作会社の皆さまには契約書の作成をNAFCAとして推奨しております。

④ 契約書は、原則として実際の作業に入る前に締結するものです。必ず双方での協議のうえ、仕事を開始する前に契約書の締結を行うようにしてください。

⑤ NAFCAでは皆さまに参考にしていただけるような契約書のサンプルを近々公開する予定です。またこちらのアカウント及び公式サイトにて告知いたします。

こちらのコメントはNAFCAにご協力頂いている弁護士の監修の元作成しています。 今後作成する契約書のサンプルについても弁護士と密に相談の上、現場の状況を反映した複数パターンを作成する予定です。

2024年1月27日 一般社団法人 日本アニメフィルム文化連盟